
HISTORY
すまないが、もう眠たくて仕方ないんだ!
防縮ウールとアクリルの混紡した素材を使用。
着心地がソフトで毛玉が出来にくいのが特徴。
折り返しの裏には目玉の刺繍があり、
これを睡眠時に使用するとあたかも目を見開いているように見えるので、
寝ていることが気づかれにくい。

Material :
50%WOOL,50%ACRYLIC
Size
Free
No :
HT50009
Place of origin :
Osaka, Japan

オレゴン州で7日間のハイキングを終えて、
やっとの思いで這い出たハイウェイ。
ここから街までは約30マイルもある。
とてもじゃないが歩けやしない。
なんとかここでヒッチハイクして、
街まで行って食料補給をしなければならない。
僕は道路脇でバックパックの中にある少しだけマシなシャツに着替えた。
あまりにも汚いとホームレスに間違えられそうだし、
車内に悪臭を撒き散らさないようにするのは、
ハイカートラッシュにとって最低限のマナーである。

たまにしか車が通過しない舗装路で親指を立てていると、
一台のピックアップトラックが減速して、
少し先の路肩に停車した。
僕は急いで駆け寄ってドライバーに行き先を伝えると快く了承してくれた。
トラックの荷台にバックパックを放り投げて助手席に飛び乗る。
車は低いエンジン音を立ててまっすぐ伸びるハイウェイを走り出した。
助手席は快適だ。
ドライバーのトムは最高な奴で、
彼の話は少し長すぎるがそれを差し引いてもとても面白い。
しかし、僕はあまりにも疲れすぎていた。
彼の長尺の話は子守唄のようだ。
僕の瞼は次第に重くなってきた。
トムには申し訳ないががもう限界だ。
必死の抵抗を諦て、
僕はそっとビーニーを深くかぶって上手くやり過ごしたんだ。









